フィギュア作りの道具 塗装編
私みたいなモンがフィギュアの塗装について書くのはおこがましいですが、フィギュアの塗装に必要な道具について書きます。
エアブラシ
フィギュア塗装は筆塗りで十分という意見もありますが、そういった方々の話を聞いてみるとミリタリー系のフィギュアである場合が多いです。1/6スケールかつ肌の露出が高めの、このブログで扱っているフィギュアの場合は、やはりエアブラシが必要不可欠だと思います。選ぶポイントは
- カップサイズ・形状
- ダブルアクション or シングルアクション
- ニードルのサイズ(0.2mm,0.3mm,0.5mm)
- 信頼できるメーカーであること
の4つ。以下詳しく見ていきましょう。
見落としがちなカップサイズ
私はエアブラシをオークションで買いましたが、届いてびっくり、カップサイズがすごく小さい(7ccタイプ)。おそらくネイル用なのでしょうね。確認不足でした。
溢れやすいのがデメリットですが、視界が確保出来るメリットもありますので、こちらはお好みで。あとカップが一体型のものと分離型のものがありますが、洗浄がラクな一体型がおすすめです。
ダブルアクション or シングルアクション
エアブラシにはダブルアクションと呼ばれるもの、シングルアクションと呼ばれるものがあります。ダブルアクションタイプのものは、ボタンを押しこむとエアーが出て、そのままボタンを手前に倒すことで塗料が出るタイプのものです。シングルアクションはボタン1つでエアーと塗料が出ます。
こう書くと、シングルアクションの方がラクで良さそうに感じますが、エアーは小出しにして塗料を出すふわっとした塗装や、細吹きのためエアーは普通に出して塗料は少なめに出す、といったことがシングルアクションでは出来ません。ダブルアクションの操作もすぐに慣れるので、断然ダブルアクションの方がおすすめです。
ニードルサイズ
ニードルのサイズの主流は0.3mmですが、私は0.2mmで特に問題ありません。0.2mmを選んだ理由は細吹きが出来るため。広い範囲を吹き付けるには向かないと思われがちな0.2mmですが、フィギュアはそんなに大きいものでもないのでこれで十分かなと思っています。
唯一のデメリットは塗料が詰まりやすいこと。プチコンキュートと組み合わせて使っているのでなおさらですが、普通のコンプレッサーなら問題ないかもしれません。また、プラモデル塗装にも使う場合は少し大きめのニードルでないときついです。金属系塗料は0.2mmだと詰まって使いものになりません。
特にこだわりが無ければ0.3mmでよいと思います。
メーカーについて
最後にメーカーですが、やはり中国製は当たりハズレが多いようなので、タミヤ、エアテックス、クレオス辺りを選んでおく方が安心だと思います。
参考記事:プロスプレー 使用感レビュー
エア缶 or コンプレッサー
エアブラシで必須のエアーの供給源はエア缶か(模型用)コンプレッサーの2択です。エア缶は大体一本600円弱。対して一番安価なエアーコンプレッサーであるプチコンキュートは6,600円程。私は結局エア缶7本くらい消費したあとでプチコンキュートを買うというとんでもない無駄遣いをしてしまいました・・・
まあとにかく余裕があるなら早くコンプレッサーを買った方がいいと思います。万一不要になっても、プチコンキュートやリニアコンプレッサーL5など、有名ドコロを選んでおけばフリマアプリなどでそこそこの値で売れると思います。
私は安価なMr.コンプレッサー プチコン・キュート PS371を選択。問題なく使えています。レビュー記事もぜひ御覧ください。↓
あとエアブラシとコンプレッサーの接続は専用のMr.エアーホース*やMr.ジョイントが必要になります。エアブラシとコンプレッサーの規格をチェックして用意する必要がありますのでご注意下さい。
ペインティングブース
エアブラシ塗装の場合、どうしてもペインティングブースが必要です。自作する方法も色々とありますが、余裕があるなら市販品を買うに越したことはありません。
調色スティック
塗料はしばらく置いておくとシンナーと分離しますが、調色スティックでかき混ぜます。あとはコレで塗料更に塗料を掬い入れたりと塗装の必須アイテム。
私はずっと勘違いしていたのですが、スプーンみたいになっているところでなく、平になっているところで塗料をかき混ぜます。
面相筆
主に瞳や眉の書き込み、ちょっとした手直しのときに使います。経験者は皆、筆は良い物を選べと言っているので私もタミヤ製を使用。いい感じで使えてます。
消耗品
塗料・うすめ液類
主に使う塗料はラッカー系塗料とアクリル系塗料。アクリル系はいわゆる水性です。
アクリル系はやや乾燥が遅く、乾燥後の塗膜が弱いですがカラダには無害。ラッカー系は乾燥が速く、塗膜も強いですが、シンナーを使うのでカラダに有害で臭いもキツイです。換気必須です。
ではなぜラッカー系に拘るのか?理由はいくつかありますが、まずフィギュア系の塗料(キャラフレッシュや美少女フレッシュセット)にラッカー系が多い。さらに塗りムラが出ないのが最大のメリットです。水性のものはムラがでるので、使いこなすのが難しいです。
塗料は専用の溶剤で薄めたり、エアブラシを洗浄する必要があります。ちなみに、エアブラシ洗浄に意外とエアーを使うのもエアコンプレッサーを買った理由の1つです。うすめ液・洗浄液は結局沢山使うことになるため、なるべく大きいボトルのものを買った方がいいと思います。
マスキングテープ・マスキングゾル
これがないと始まらない、というくらい重要なアイテム。塗り分けたいところに貼り付けるものです。セロテープみたいなケースに入っているものが便利です。
マスキングゾルは液体と固体の間みたいな物体で、簡単にはがせるゾルです。マスキングテープの隙間や小さい隙間に塗って使います。爪で簡単に剥がせます。安くて長く使えるので、1つ用意しておくと細かい塗装も安心です。
塗料皿
塗料と塗料を混ぜ色を合成したり、塗料をクリアーやシンナーで割るときに必要な必須アイテムです。1枚あたり10円程度と安いのでおすすめです。また、ビンを傾けて塗料を皿を注いでもいいですが、ビンの淵が汚れます。それが嫌な人はスポイトを用意しましょう。
その他便利グッズ
クレオス キャップオープナー
塗料を長期間放置した結果、蓋が固くなって開かないときはこれが便利。Mr.HOBBY(水性・油性)やタミヤカラーが開くので、どんな塗料瓶でも開けられると思います。
エアブラシスタンド
必須アイテムです。自作する方法もあります。
Mr.クリーナーボトル
エアブラシ洗浄時に役立つ一品。
ペインティングスタンドセット
エアブラシを使うときは勿論、塗装後の乾燥時にも役立つこれ。
ペインティングクリップ
パーツに少し穴を開け竹串で固定する、割り箸に両面テープをつけて代用する方法などがありますが、あると便利かも知れません。
ルーペ
アイペイントの時など、ルーペががあるのとないのとでは作業のしやすさ、質が大違いです。眼鏡タイプや片目で挟むタイプなどありますが、拡大率はさほど必要ないのでスタンドタイプがおすすめです。
ティッシュ、キッチンバッグ、綿棒、空きビン
塗料皿に残った塗料やエアブラシのカップを拭くときなどティッシュは多めに用意しましょう。カップ内洗浄には綿棒が便利です。ベビー用のものがいいです。
キッチンバッグは小さなビニール袋ですが、ティッシュや綿棒など、そのままゴミ箱に捨てるとにおいが残るので、ビニール袋に入れて口を閉めて捨てます。空きビンは鮭フレークなどのビンを用意し、エアブラシ洗浄に使った薄め液などストック。エアブラシの先端部分の清掃などの際にこのビンに入れておくと汚れが落ちるという寸法です。
缶スプレーについて
最後にサフなどで使う缶スプレー。缶スプレーは扱いがエアブラシとは全然違います。知識ゼロでいきなり実践すると、絶対失敗します。
Youtubeの「お昼休み模型講座」で検索すると、缶スプレーのやり方を教えてくれる動画があるので、缶スプレーを使おうと思っている方はまずこの動画をご覧下さい。
ただ、サフを塗るときなどは重宝します。すぐに使えて使用後の洗浄も無用なので、気軽に使えます。まずグレーの粗目のサーフェサーを使用して表面処理をし、仕上げにホワイトサフを塗るのが基本です。
マスク・保護メガネは必須です。マスクは通常のモノでもいいですが、万全を期すなら防毒マスクを。
ポリ手袋もあった方が良いです。不意に手に付く事故が減ります。100均のものでも可。
エプロンはオプション。100均のものでも可。塗料が服に付くのを防ぎます。
エアブラシ塗装のおすすめ教科書
エアブラシ塗装の実演DVDが付属する「レプリカントEX(3)」がおすすめです。
これはボークスのフィニッシャー、狩人氏がガレキをゲートから切り離すところから塗装までの実演が、全部で約3時間分のDVDに収録されています。細かいところまで手取り足取りといった感じで説明してくださっているので、フィギュア塗装に関してはこれがあれば大丈夫です。
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