フィギュアの塗装に必要な道具についてまとめました。道具を選ぶ基準やおすすめのアイテムを紹介します。
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エアブラシはフィギュア塗装の必需品
「フィギュア塗装は筆塗りで十分」という意見もありますが、そういった方々は「ミリタリー系フィギュア」である場合が多いです。物凄く小さいフィギュアで迷彩塗装、というならそれでいいですが、1/6スケールで、肌の繊細な表現が必要な美少女フィギュアの塗装にはエアブラシによる塗装が必須です。
ただ一口にエアブラシといってもいくつかの種類に分かれています。そこで、エアブラシについて大まかな解説と選び方について解説します。
エアブラシの選び方
エアブラシを選ぶ際、チェックするポイントは
- カップサイズ・形状
- 操作方法 - ダブルアクション or シングルアクション
- ニードルサイズ(0.2mm,0.3mm,0.5mm)
- メーカー
の4つです。以下詳しく見ていきましょう。
見落としがちなカップサイズ
エアブラシをオークションで買いましたが、届いてびっくり。塗料を入れるカップサイズがすごく小さい(7ccタイプ)。おそらくネイル用なのでしょうね。確認不足でした。
カップサイズの小さなものは容量が少ないのがデメリットですが、一回で使う塗料はこれくらいで十分。視界を遮らないというメリットもありますので、お好みで。
▽カップサイズが大きなこのようなタイプのエアブラシもあります。
エアブラシの操作方法はダブルアクション or シングルアクション
エアブラシは操作方法の違うダブルアクションタイプとシングルアクションタイプがあります。
ダブルアクションタイプはボタンを押しこむとエアーが出て、そのままボタンを手前に倒すと塗料のノズルが開いて塗料が噴き出るものです。ボタンの押し込み具合で空気の量を、ノズルの開け具合で出てくる塗料の量を調節します。
一方、シングルアクションはトリガー1つでエアーと塗料が出ます。
こう書くとシングルアクションの方がラクで良さそうに感じますが、エアーを小出しにしつつ微量の塗料を出すふわっとした塗装や、エアーは普通に出して塗料は少なめに出す細吹きといった繊細な作業がシングルアクションでは出来ません。
ダブルアクションの操作もすぐに慣れるので、フィギュア塗装には繊細な操作が可能なダブルアクションタイプが断然おすすめです。
ニードルサイズ
塗料の出る量を決めるのがニードルサイズです。単純に大きなニードルほど塗装範囲が大きくなります。ニードルサイズが大きいものは塗料が細吹きが苦手ですが、ニードルサイズが小さいと塗料が詰まりやすいというトレードオフがあります。
ニードルのサイズの主流は0.3mmですが私は0.2mmで特に問題ありません。広い範囲を吹き付けるには向かないと思われがちな0.2mmですが、フィギュアはそんなに大きいものでもないのでこれで十分かなと思っています。
吹き出す力の弱いプチコンキュートと組み合わせて使っているので、塗料が詰まりやすいのがデメリット。普通のコンプレッサーなら問題ないかもしれません。特にこだわりが無ければ0.3mmでよいと思います。
プラモデル塗装にも使う場合は少し大きめのニードルでないときついです。特に金属系塗料は0.2mmだと詰まって使いものになりません。
追記. エアブラシのニードルサイズは後に変更することが可能です。▽のようなスペアニードルを購入して交換する流れです。ニードルの先端を曲げてしまった場合にも有効です。
ニードルサイズは0.2mm、0.3mm、0.5mmのバリエーションがあり、 それぞれの太さに対応したニードルキャップも付属しています。交換手順は以下の記事を参考にしてみてください。
メーカーについて
最後にメーカーですが、やはり中国製は当たりハズレが多いようなのでタミヤ、エアテックス、クレオス辺りを選んでおく方が安心だと思います。
安価なスプレータイプもありますが、今では全く使っていません。あまりお勧めしない理由は別記事にありますので参考にしてください。
エアの供給源 エア缶 or コンプレッサー
エアブラシはエアを供給する必要がありますが、使うのは
- エア缶
- コンプレッサー
の2択です。エア缶は消耗品ですが、コンプレッサーは無制限にエアを使えます。
エア缶は大体一本600円弱。対して一番安価なエアーコンプレッサーであるクレオス製の『プチコンキュート』は6,600円程。
私はエア缶を7本くらい消費したあとでプチコンキュートを買うというとんでもない無駄遣いをしてしまいました・・・
という訳で、なるべく早くコンプレッサーを買った方がいいと思います。不要になっても「MR. Compressor (プチコンキュート)」や「リニアコンプレッサーL5」など有名ドコロを選んでおけば、フリマアプリなどでそこそこの値で売れると思います。
私は安価な「Mr.コンプレッサー プチコン・キュート」を選択。問題なく使えています。レビュー記事もぜひ御覧ください。↓
エアブラシとコンプレッサーの接続は専用のMr.エアーホース*やMr.ジョイントが必要になります。エアブラシとコンプレッサーの規格をチェックして用意する必要がありますのでご注意下さい。
※ホースは巻いているタイプの方が取り回しが良いです。
コンプレッサー+エアブラシ
最近ではUSB充電式のエアブラシという超絶便利なアイテムが販売中。USB充電でエアブラシが使い放題でエアブラシが使える上清掃ブラシなどの付属品付きで¥6,000ほどと革命的なアイテムです。何よりコンプレッサーと違って場所を選ばなくてもよいのでベランダなどでの作業が可能。おすすめです。
ペインティングブース
エアブラシ塗装の場合、塗料やシンナーのにおいを屋外に排出するためのペインティングブースが必要です。換気扇などを使って自作する方法もありますが、余裕があるなら市販品を買うに越したことはありません。塗料のシンナーは有害なので、喚起対策はマストです。ファンドの表面処理における粉塵対策にも有効です。
参考記事
調色スティック
塗料は放置するとシンナーが分離しますが、そんなときは調色スティックでかき混ぜます。また、スポイトがあれば塗料をビンの縁にこぼすことなくエアブラシに入れることが出来ます。ビンの縁に塗料が付くと蓋が固まるので、できれば用意したいところ。▽セットになっているこのアイテムがおすすめです。値段も安いです。
私はずっと勘違いしていたのですが、スプーンみたいになっているところでなく、平になっているところで塗料をかき混ぜるようです。
細やかな面相筆
瞳や眉の書き込み、ちょっとした手直しのときに使うのが先端が細い面相筆。経験者は皆「筆は良い物を選べ」と言っているので、私もタミヤ製を使用。いい感じで使えてます。
消耗品について
ここからは消耗品を紹介します。
塗料・うすめ液類
フィギュアに使う塗料はラッカー系塗料。水性のアクリル系塗料は無害でよいのですが、塗料が表面を弾いてムラがでるので、アイペイントで使う場合がありますが、基本的にフィギュア塗装向きではありません。ラッカー塗料はクレオスの「Mr.カラー 」シリーズや「タミヤラッカー塗料」シリーズが定番ですが、肌色塗装には「ガイアカラー 054」などが便利です。
ラッカー塗料は専用の溶剤、いわゆるシンナーで薄めます。また、シンナーはエアブラシを洗浄するときにも必要なので必需品。
ちなみにエアブラシ洗浄に意外とエアーを使うのもエアコンプレッサーを買った理由の1つです。
うすめ液・洗浄液は大量に使うことになるため、なるべく大きいボトルのものを買った方がいいと思います。
塗料を調節する塗料皿
塗料は一旦「塗料皿」に入れてからシンナーで濃度を調整します。消耗品で必須アイテムです。濃度調整の他、色を混ぜたりするのにも使えます。
マスキングテープ・マスキングゾル
塗り分けたいところを養生するために使います。これがないと始まらないというくらい重要なアイテム。セロテープみたいなケースに入っているものが使いやすくて便利です。
一方、スライムのようなマスキングゾルは液体と固体の間みたいな物体で、簡単にはがせるゾルです。マスキングテープの隙間や小さい隙間に塗って使います。爪で簡単に剥がせます。
安くて長く使えるので、1つ用意しておくと細かい塗装も安心です。
その他便利グッズ
クレオス キャップオープナー
塗料を長期間放置した結果、蓋が固くなって開かないときはこれが便利です。「Mr.HOBBY(水性・油性)」や「タミヤカラー」が開くので、どんな塗料瓶でも開けられると思います。
エアブラシスタンド
エアブラシの保管や塗装の手を一旦止めたいときに便利なアイテムです。
Mr.クリーナーボトル
エアブラシ洗浄時に役立つ一品。これでエアブラシスタンドも兼ねています。特にブラシはエアブラシ洗浄に必須なので、セットになっているものがお得です。
ペインティングスタンドセット
エアブラシを使うときは勿論、塗装後の乾燥時にも役立ちます。
ペインティングクリップ
パーツに少し穴を開け竹串で固定する、割り箸に両面テープをつけて代用する方法などがありますが、あると便利です。
ルーペ
アイペイントの時など、ルーペががあるのとないのとでは作業のしやすさ、質が大違いです。
眼鏡タイプや片目で挟むタイプなどありますが、拡大率はさほど必要ないのでスタンドタイプがおすすめです。
ティッシュ、キッチンバッグ、綿棒、空きビン
塗料皿に残った塗料やエアブラシのカップを拭くときなどティッシュは多めに用意しましょう。
カップ内洗浄にはベビー用の綿棒が細くて便利です。
洗浄後のふき取りに使うティッシュや綿棒などはそのままゴミ箱に捨てるとにおいが残るので、ポリ袋に入れて口を閉めて捨てます。
空きビンは鮭フレークなどのビンを用意し、エアブラシ洗浄に使った薄め液などストック。エアブラシの先端部分の清掃などの際にこのビンに入れておくと汚れが落ちるという寸法です。
缶スプレーについて
最後にサーフェサーなどで使う缶スプレー。缶スプレーは扱いがエアブラシとは全然違うので、知識ゼロでいきなり実践すると絶対失敗します。とにかくコツは缶を素早く動かしながらシュッと軽く吹くこと。一瞬だけボタンを押す感じです。シューという感じで一箇所に吹き付けると垂れます。まずは段ボールに吹き付けてどんな感じか試すといいと思います。
ただ、すぐに使えて使用後の洗浄も無用なので気軽に使えるというメリットは大きい。特にサーフェサーを塗るときなどは重宝します。まずグレーの粗目のサーフェサーを使用して表面処理をし、仕上げにホワイトサーフェサーを塗るのが基本です。
キャストオフする場合はグレーのサフだけでOKです。
マスク・保護メガネ
塗装する際にマスク・保護メガネは必須です。マスクは通常のモノでもいいですが、万全を期すなら防毒マスクを。まあそこまでする必要はありませんが。
不意に塗料が手に付着することがあるので、ポリ手袋もあった方が良いです。100均のものでも可。
エプロンはオプション。100均のものでもOK。塗料が服に付くのを防ぎます。
エアブラシ塗装のおすすめ教科書
エアブラシ塗装の実演DVDが付属する「レプリカントEX(3)」がおすすめです。
これはボークスのフィニッシャー「狩人氏」がガレキをゲートから切り離すところから塗装までの実演が全部で約3時間分のDVDに収録されています。細かいところまで手取り足取りといった感じで説明してくださっているので、フィギュア塗装に関してはこれがあれば大丈夫です。
まとめ
フィギュア塗装に関する道具の紹介は以上になります。下記リンクでは塗装前の造形に必要な道具の解説をしていますので、併せてご覧ください。
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